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革修理ブログ
2024/02/18
スエードの革ジャケットの染め直し
こんにちは!
革研究所 三島伊豆店スタッフ”よー”です(^^)/
さて、本日は、
スエードの革のジャケットの染め直し
をご紹介いたします。
お品物はこちらの↓ジャケットです。
ご相談の内容は、色ムラやシミなどの汚れが目立ち、この状態では着用できないので
染め直しなどの補修で、着られるようにできないかというものです。
スエードの染め付けは、革の状態により染めムラが出たり、
色止め剤の影響で革が固くなるなど、仕上がりの状態を明確にお伝え出来ないことから、
通常は、お受けしておりません。
お客様からは、それでもチャレンジしてもらえないかということで、
仕上がりがどのようになるかわからない点をご了承を頂き、特別に施工をお受けしました。
施工にあたっては、途中の状況をお客様と共有し、仕上がりの方向性を確認しながら
慎重に進めることとしました!
まずは、お預かりしたジャケットの状態を確認していきます。
【before】
ご依頼品の状態は、部分的な色褪せ、シミ、黒ずみがあり、
肩、袖部分の革の硬化が見受けられます。
肩、袖部分の革の硬化は、スエードの毛が摩耗したためと思われます。
また、袖のシミは、カビの影響もあるようです。
染め直しの色は、ブラウン系をご要望です。
元々の色は、少し紫がかったブラウンだったとのことですが、
紫にはこだわらないということ。
黒くなってしまったシミを消すことは難しいですが、できるだけ目立たなくなるよう、
濃いめのブラウン系への染め直しを行っていきます。
では、施工後のお品物と施工内容をご覧ください!
【after】
難しいスエードの染め直しでしたが、
全体的には、色ムラを抑えた染め直しができ、
濃いブラウン系で違和感なくまとめることができたと思います。
しかし、残念ながら、黒ずみ、袖のシミは、ある程度目立たなくする程度となり、
完全に見えなくするまでには至りませんでした。
お客様に仕上がりをご確認いただいたところ、
予想以上に汚れが目立たなくなったと喜んでいただき、
納品の際は、その場ですぐに着用してお帰りになりました。(*^-^*)
ご満足いただけて良かったです。ありがとうございました(≧▽≦)
【施工内容について】
まず、袖のシミ部分を揮発性の高いアルコール系薬剤で洗浄し、カビ除去、カビ防止を行いました。
次に、染料で染め付けですが、吸い込みが激しく、スプレーガンでは染められない状況のため、
今回はハケで染めていきます。
染料染めだけでは、色落ちしてしまいますので、色止めを行います。
やはり予想通り、色止め剤の影響で、若干革が固くなりましたが、
保革・栄養剤を塗りこみ、丁寧にブラツシングし、毛並みを整えていくことで、
硬化した革の柔らかさを取り戻しました。
これで施工完了です。
難しいスエードの染め直しでしたが、
施工途中に、色の状態などをお客様に確認いただくなど、ご協力いただき、
なんとか仕上げることができました。
結果は、afterのところでも見ていただいたように、
残念ながら、黒ずみ、袖のシミは、ある程度目立たなくする程度となり、
完全に見えなくするまでには至りませんでしたが、
色ムラをできる限り抑えて、濃いブラウンのスエードのジャケットとして
修復することができました。
施工前は、着用して外出できないという状態から、
お出かけにできる状態に復活したと思います!
今回は、スエードということで、なかなか補修を引き受けてもらえるところがない
ということもあり、お客様とよくお話をした上で、お受けいたしました。
当店では、お客様のお困りごとに、できる限り対応したいと考えておりますので
ご相談ください( •̀ .̫ •́ )✧
今回のお品物のスエードやヌバックは、革の表面が起毛しており、柔らかい手触りが特長です。
いつまでも触っていたいような気持よさがありますよね(*^-^*)
そんなスエードは、水濡れや汚れに弱そうなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれないですが、実は起毛しているので、すぐに革にしみこむということがなく、ケアの仕方次第では、水に強い素材とも言えます。
とにかく、水濡れしたときは、すばやく優しく拭き取ることと、
日々のお手入れに関しては、できる限り使った後にブラッシングをして、
表面についている汚れやホコリなどを落としておきましょう。
それでも、使っていくうちにご自身では直すのが難しいダメージが発生したら、
革研究所にご相談ください(*^-^*)
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